LIBTECについて | 理事長ごあいさつ

吉野 彰

理事長吉野 彰博士(工学)

  • 旭化成(株)名誉フェロー
  • 九州大学グリーンテクノロジー研究教育センター訪問教授
  • 名城大学大学院 理工学研究科 教授
  • ゼロエミッション国際共同研究センター長

電池材料評価技術の中核を目指して

二次電池の小型・軽量化を実現したリチウムイオン電池は1995年から始まったIT革命(第三次産業革命)という大きな流れの中で、携帯電話、スマートフォン、ラップトップPCなどIT機器の電源として大きく成長してきました。さらに2010年からは車載用(電気自動車)という次の用途展開が始まり、その本格的な普及に向けて重要な時期を迎えています。この流れは単に車の電動化ということだけでなく、AI, IoT, 5Gなどの新技術が創出する新たな世界への流れ(第四次産業革命)の一貫とみなすべきでしょう。”自動車産業百年に一度の大変革期”と言われる理由もそこにあります。

こうした社会変化に対応するためにリチウムイオン電池技術はさらなる進化が求められています。このような背景のもと、経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国立研究開発法人産業技術総合研究所のご支援を受け、2010年4月に主要な電池材料メーカーが結集して NEDO“次世代蓄電池材料評価技術開発”という助成事業から技術研究組合リチウムイオン電池材料評価センター(LIBTEC)は活動を開始しました。さらに2013年からはNEDO委託事業”先進・革新蓄電池材料評価技術開発”という委託事業”を進めてきました。この二つの事業は自主事業として継承され現在も続いております。

そして2018年から始まったNEDO委託事業”先進・革新蓄電池材料評価技術開発(第2期)” と共にLIBTECは大きく変貌いたしました。一つは2011年に大きな技術ブレークスルーの有った固体電解質を用いた全固体電池をテーマに取り上げたことです。その全固体電池の開発・商品化を加速するための評価技術確立、評価用標準電池の創出などの共通基盤技術開発などに取り組んでいます。二つ目の変貌はこれまで電池材料メーカーを中心に構成されていたLIBTECに主要な自動車メーカー、主要な電池メーカーも参画していただいたことです。各メーカーからの出向研究員が一堂に結集し、集中研方式で事業に取り組んでいます。川上、川中、川下各々の立場の研究員が集まるという一気通貫の体制が整いました。また、これまでの事業を進めてきた中でLIBTECプロパー研究員も順調に成長してきており、日夜力を合わせて事業の推進に励んでおります。

電池材料評価技術の中核を目指して、私たちLIBTECは種々の研究機関とも連携し、電池材料評価技術の抜本的な向上・加速化を実現していきます。

理事長プロフィール

1970年3月
京都大学工学部石油化学科卒
1972年3月
京都大学工学研究科修士課程修了
1972年4月
旭化成(株)(旧旭化成工業(株))入社
1992年3月
旭化成(株)イオン二次電池事業推進部商品開発グループ長
1994年8月
(株)エイ・ティーバッテリー技術開発担当部長
1997年4月
旭化成(株)イオン二次電池事業グループ長
2001年5月
旭化成(株)電池材料事業開発室室長
2003年10月
旭化成フェロー
2005年8月
旭化成(株)吉野研究室室長
2010年4月
技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター理事長(現在)
2015年10月
旭化成(株)顧問、九州大学エネルギー基盤技術国際教育研究センター客員教授
2017年4月
旭化成(株) 名誉フェロー(現在)、名城大学大学院理工学研究科 教授(現在)、
九州大学グリーンテクノロジー研究教育センター訪問教授(現在)
2019年10月
ノーベル化学賞受賞